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頭から臍辺りまで血に濡れている。
当然、呼吸運動はしていない。
死ぬ直前まで苦しんでいたような表情。
光を忘れてしまった瞳孔。
「負梨くん、ホントに大丈夫…?」
笠倉さんが心配した顔でボクの顔を覗き込む。他のクラスの人達も視線を投げかけている。
「…もう、大丈夫さ。心配掛けたね」
その場で立ち上がってみたが、足がフラついた。
「オイ、身体の方が正直だぜ」
呆れた顔で話し掛けてきた人は、笹倉仲史(ササクラナカシ)。
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