9人が本棚に入れています
本棚に追加
(あ……)
そのうち彼の手はすぐに離れた。
そして本を開き、何事もなかったように読書を再開した。
安堵する私の手からシャーペンが滑り落ちる。
しかし私の手の中には、四つ折りの小さな紙が残っていた。
チッ…チッ……、と
やけにうるさく時を刻む壁時計に
急かされて、慌てて紙を開く。
――――――
放課後、旧化学部実験準備室。
夏目さん一人で来て。
――――――
最初のコメントを投稿しよう!