Rapunzel

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(あ……) そのうち彼の手はすぐに離れた。 そして本を開き、何事もなかったように読書を再開した。 安堵する私の手からシャーペンが滑り落ちる。 しかし私の手の中には、四つ折りの小さな紙が残っていた。 チッ…チッ……、と やけにうるさく時を刻む壁時計に 急かされて、慌てて紙を開く。 ―――――― 放課後、旧化学部実験準備室。 夏目さん一人で来て。 ――――――
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