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「…………」
予報外れの雨が窓を叩く放課後。
ちゃんと私は化学部実験準備室に来たんだ。傷んだドアの上の、埃を被ったプレートにもそう書いてある。
……来たんだよっ!
「なぜにオカルト研究会……?」
ドアには真新しい紙が張り付けてあり、筆文字で“オカルト研究会部室!”とある。ああ、だから旧、なんだね。
顔をひきつらせながら納得していると背後で雷が光った。
と、とりあえず入ろうか……。
あれ、勝手に部室に入っていいのか?まさか、猫柳くんがオカルト研究会所属……いやいやいや無いと信じたい。夢を壊さないでくれたまえ。
頭の片隅に黒装束を身に纏いにやつく彼の姿が浮かんできたが、振り払うべく慌ててドアを開けた。ガラッ!と大きな音がする。
「ポマードポマードぉぉ!」
「それは口裂け女への対処法だ」
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