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ドアの前の人が…私を閉じ込めた人が、動く気配はする。
でも返事はない。
「…………どう、ですか?」
喋らないその人と返事を待つ私の間に沈黙が広がっていく。それを埋めたのは、一際大きい雷の音。
「きゃ……っ!」
車が突っ込んで来るような轟音。
頭をかかえて床にしゃがみこむ。やけに音が大きい。雨音もよく聞こえるし、どこかの窓が開いてるのかもしれない。
窓を閉めたい一心で、闇にようやく慣れた目を開けた。
――それが駄目だった。
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