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急に低くなった声。
驚いて、思わず肩が跳ねる。
桜井さんが私の腕を掴んで無理やりそちらに向けさせた。
「お礼もしないで去るとか…とんだ非常識女だな。」
…へ?
あれ?
私の耳どうしたんだろう。
きちんと音が聞きとれな--…
「おい。聞いてんのか。吉野春香。」
うん。間違いなく桜井さんの声。
私の耳には問題ないらしい。
ていうか何で私の名前…。
「生徒の情報は全部把握してるから。」
あぁ、そうですか。
って心読まれてるし!!
「んで?もちろんお礼するよね?吉野さん。」
さっきまではあんなにキラキラしていた桜井さんの笑顔も。
今となっては恐怖にしか感じられません。
「お礼って…何をすれば…。」
金よこせ!とか体で払え!とかは絶対無理!!
罰当番の掃除とかなら喜んで引き受けるからぁ!!
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