二、緊迫の10分間

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トイレをすましあたしが手を洗っていると、凛が喋り出した。 「空港の人達、異常なくらいに時計を気にしてた」 「えっ?そうなの??」 「うん。時間が関係あるかもしれない」 あたしと凛は、同時に壁掛け時計を見つめた。 秒針がカチッカチッと音を立て、文字盤の12を指した、その瞬間! ドオォォーンッーーーー。 鼓膜が敗れそうな爆発音が響き渡る。 ガラスが割れる音がして、バタバタと慌ただしく人が動き出す。 「な、なんなの?」 あたしと凛はトイレから出ようとしたが、ある光景を目にしてとっさに壁に隠れた。 なんと、空港の警備員たちがよってたかって最終便に乗る客をとらえ始めたの! もちろん1年D組の生徒たちもだ。 異変を感じてはいたものの、まさかこうなるとは思ってもみなかった・・・・。 あっという間に全員とらえられ、【関係者以外立入禁止】と書かれたあの部屋へと連れていかれてしまった。 「ど、どうしよう凛。全員連れていかれちゃったよ・・・」 すると、凛はニヤリと怪しい笑みを浮かべて呟いた。 「[全員]は連れていかれてないでしょ?」 ちょうどその時、あたしと凛の携帯が同時になった。 「「っ!」」 空港の人達にばれないように慌てて携帯を取り出し、画面をスクロールさせた。 オリジナルマナーモードに設定し、一切音が鳴らないようにしてからメールを開いた。 ーーーーー11時50分開始。 これが、あたし達の初ミッションだった。
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