二、緊迫の10分間

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「な、なんでっ??あたし達は最終便に乗ってカナダに行くはずでしょ??」 「うん。最終便に乗るはずだったけど・・・それももう無理だね」 凛は割れたガラスの壁の方を指差した。 「そんな、うそ・・・・」 なんと、最終便の飛行機が爆破されていたの! 飛行機は赤々と燃え上がり、黒い煙が立ち上っている。 「で、でも、他に飛行機があるんじゃない?」 「無いね。脱出を希望した人を全員運べるように計算しつくされてるし、飛行機は全部それぞれの目的地に引き取られることになってるから、戻ってくることはない。ましてやあれは最終便だしね」 「どうしようもないじゃん・・・」 あたしがうなだれていると、凛はメールを見直して「よしっ」と呟いた。 「何にしろ、まずはみんなを助けなきゃ。あ!・・・ちょうどいい。あの人を利用しよう」 受付の制服を着た女性が、トイレに向かって走ってくるのが見えた。 「えっ・・・どうやって?」 凛はまた、ニヤリと笑った。 残り、9:00。
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