0人が本棚に入れています
本棚に追加
また嫌な春が来た。
私が増えて3回目の春だ。
周りは私を空気だと思ってる。
私はどうすれば良いのよ…。
[おはよう]
周りでは挨拶が交わされている。私に挨拶をする人は誰1人いない。
私は空気だ。
キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴った教室に行かなきゃ…。
<ドン!>
痛っ!
何なのよ…
目の前には硬派なイケメン。いわゆる好青年がいる。
[あんた誰だ?]
『…』
[チッ…]
『…すいませんでした…』
[あんたが悪い訳じゃねーよ。俺がぶつかっちまったんだよ。]
うわ…
私が唯一苦手とするお話が始まった…
どうすれば良いのかしら…
[おい!聞いてんのか?]
『はい…聞いております。』
[あんたさ…名前は?]
『華月…凉です。』
[華月…凉…あっ!お前1組の!]
『何で知ってるのですか?』
何よこの人…
空気の私を知ってる…
[なぁ俺を見た事ねぇか?]
『…知りません。』
[凉は変わったな…]
はっ?
いきなり呼び捨て!
生意気な奴だ…
[俺は下北龍矢だ。]
下北龍矢…
あっ!
あの保育園の!?
『龍!?』
最初のコメントを投稿しよう!