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さて、この中からオリーブオイルを売っている店を探すのは至難の技だ。
「うーん、人が居すぎて遠くまで見えねぇな」
それもそのはず、袋詰め状態のように、歩けば必ず人と接触するほど人が大量にいる。
それ以前に、ここの市場が広すぎて、たとえ人がゴミのようにいなかったとしても、オリーブオイルを見つけるのは難しいであろう。
「助けてよドラ○もん」
きっとあの22世紀の青狸型ロボットなら、どこにでも行けるドアをポケットから引きずり出して、オリーブオイルのある場所まで運んでくれるんだ。
「ああ、オリーブオイルの場所はど……こ、なん」
ちょっと待て、あとすこしで画期的なアイディアが浮かびそうだ。そうだよ、場所さえわかればいいんだ。
ということはつまり、オリーブオイルの存在する場所を、視界に表示させるようにしちゃえばいいんだよ。
そのためにはなんだ、数学の何を使えばいい? 確率か?
「視界【オリーブオイル存在確率】」
俺の視界には一定の大きさで円が現れて、その中心には細かな分数が表示された。
「ってそう表示されちゃうのかよ!!」
その円の示す数字は、1/25004やら3/3301などばかりで、わかりにくいったらありゃしない
その視界の先に、オリーブオイルの存在確率1/2とか表示されて行ったはいいものの、なかった時の落胆は計り知れんぞ。
「クソッ、解除」
少し悪態を吐きながら術を解除、確率ではなくもっと別の何かでやらなくては。
「うーん、オリーブオイルがどこにあるか分かればいいだけなんだがなぁ……あ!領域を使えばいいんだ!」
ピコーンと頭の上のライトが点灯したような気分だった。
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