俺と文化祭。

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あの後僕は高校の時からの友達であるハルの家に居候している。 ハルは人の気持ちに敏感だから僕の事もすぐに気が付いてくれたみたいで何も言わずに抱きしめて大丈夫だよと背中をさすってくれた。 どのくらいかはわからないけど、涙腺が耐えきれなくてハルにしがみついてわんわん泣いた。 僕はハルに何も言っていない。 そしてハルも何も聞かずに僕を置いてくれている。 馨と会いたくなかったし、外に出るのも億劫になっていてあの日から2か月近くハルの家で引きこもっていた。 ふと外に出て馨といつも歩いていたあの道に来たのは気まぐれ。 今日が馨と出会って丁度5年目だったから。 それだけの理由。 こんなんじゃやっぱり思い出になんてできないかな… なんて自分に苦笑しながら歩いていたら大好きな声が聴こえた気がした。 「一華?」 ゆっくりと顔をあげると道の先に馨が立っているのが視界に映った。 目をしばかせて確認するとそれは紛れもなく愛しいあの人。 それを知った瞬間僕は回れ右をして来た方向に走り出した。 「!!。一華!!」 もう一度僕を呼ぶ声が聴こえる。 けれど止まらない。 止まれない。 顔が見れない。 必死で走ったけれど馨は足がすごく速い。 だからすぐに捕まってしまった。 どうして追いかけてくるの? どうして僕を呼ぶの? どうして僕を捕まえるの? 目に涙が溜まっていく。 ねぇ、どうして? 僕はもういらないんでしょう?
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