同窓会

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隼人は一瞬、中学校の教室を思い浮かべた。 懐かしいあの日。 隼人はクラスの中で目立たない存在だった。 お昼も一人で食べるほど、友達と呼べるクラスメイトもいなかった。 しかし、あの“能力”のお陰で、一時はクラスの人気者になったことがある。 それもあって、中学校時代はいじめに遭うことはなかった。 「“予言”……か」 隼人は同窓会会場を見渡した。 テーブルに10名くらいが座り、それが10卓。 東合中学校同窓生はおよそ100人。 その中の35人が隼人のクラス、卒業時3年C組の仲間が見えた。 「ふう。久し振りにやってみるか」 隼人は、息を吐くと瞑想に入った。 「出来るだけ面白い、笑えるやつな」 北條は甲高い声で笑った。 「え、何、何。隼人がなんかやるの?」 「ラプラスの霊人の能力だ!」 同じテーブルのクラスメートも興味を示していた。
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