同窓会

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隼人は瞑想に入る前に、少し離れたテーブルにいる秋山と由樹が話しているのを“見て”いた。 目を開けると、隼人は北條に告げた。 「秋山と由樹が口ゲンカ」 北條は目を丸くして、その秋山と由樹がいるテーブルの方を見た。 「ラプラスの御告げだ。秋山と由樹がケンカする」 北條が言うと、クラスメートが一斉にそっちを見た。 「当たんないよ。あん時はたまたまで……」 隼人は御告げをした後、慌てて言い訳をした。 「だいたい、“予言”なんて能力、俺には無いって」 隼人はクラスメートたちが興味深げに見る方を敢えて見なかった。 あんな中学校時代の“能力”なんて、デタラメだったんだ。 クラスメートみなマンガやアニメの見過ぎで、互いに変な能力を持っているって思っていただけだ。 隼人は烏龍茶を飲み干し、北條の飲みかけのダイキリを勝手に一口飲んだ。
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