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駅前のホテルでの同窓会でなかったら、白衣で出るつもりだった。
「案外スーツ似合うわよ」
妻の英美の言葉で少し気分良く出掛けたが、ホテルのロビーに到着してからは、やはり首元が落ちつかずネクタイをいじっている。
少し早すぎたようで、まだ誰も来ていないようだった。
いや、もしかしたら何人かは会場に行っているかもしれない。
隼人は「東合(ひがしごう)中学校同窓会会場。鳳凰の間」と書かれた看板の前を行ったり来たりしていた。
何度かホテルの従業員から声をかけられたが、「大丈夫です」と返事をして、知った顔が現れるのを待っていた。
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