同窓会

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中学校卒業して、後は成人式に会ったくらいのクラスメートだが、一目見て名前がわかるのはスゴいなと隼人は思った。 「おー!えーと、西藤に秋山、それに渡部と田中か。田中、前髪ヤバいぞ」 田中は前髪を隠すと、「気にしてんだから、言うなって!」と怒った。 坊主頭の頃から額が広かった田中だったが、髪が伸びた現在では、さらに後退しているのが見てわかった。 「なんだ、野郎ばっかだな。女子はどうした、女子は!」 渡部は言いながら二階への階段を上がって行く。 「委員長とかミユキちゃ~んとかよしみちゃ~んとかヒロミちゃ~んとか綺麗になってんべな~」 「ユキちゃ~んを忘れんな~」 秋山も階段二段飛ばしで続く。 「お~愛しのユキちゃ~んを忘れるわけねー」 「呼んだ~」 二階から女性の声がした。 「みんな上にいるよ」 どうやら、女子はすでに会場にいたようだ。
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