12人が本棚に入れています
本棚に追加
中学校卒業して、後は成人式に会ったくらいのクラスメートだが、一目見て名前がわかるのはスゴいなと隼人は思った。
「おー!えーと、西藤に秋山、それに渡部と田中か。田中、前髪ヤバいぞ」
田中は前髪を隠すと、「気にしてんだから、言うなって!」と怒った。
坊主頭の頃から額が広かった田中だったが、髪が伸びた現在では、さらに後退しているのが見てわかった。
「なんだ、野郎ばっかだな。女子はどうした、女子は!」
渡部は言いながら二階への階段を上がって行く。
「委員長とかミユキちゃ~んとかよしみちゃ~んとかヒロミちゃ~んとか綺麗になってんべな~」
「ユキちゃ~んを忘れんな~」
秋山も階段二段飛ばしで続く。
「お~愛しのユキちゃ~んを忘れるわけねー」
「呼んだ~」
二階から女性の声がした。
「みんな上にいるよ」
どうやら、女子はすでに会場にいたようだ。
最初のコメントを投稿しよう!