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俺達は村の出口に立っている。日が昇り始め、空が少し明るくなっていた。
「とりあえず、俺達のヒマジン村から一番近いのはアルナ村だな」
そこで誰か見付けたら俺の旅は終わりだ。
「ふーん」
適当に呟く我がリーダー。
「しっかりしてくれよリーダー」
「黙れぼけ」
言われすぎてもはや興奮さえ覚えてきますね。
「それよりあんたの装備は次の村につくまで地図だけね」
「俺死んだ」
俺だってお前が持ってる剣とかでばんばん戦いたい。
「頼むから死なないでね。教会に棺桶運ぶのだるいんだから」
「地図で戦います」
「そう」
つっこめよ!と心の中で呟くが聞こえるわけもなく。
「それじゃあ、行くわよ」
「仕方ないな」
そう言いながらも、またこいつと一緒に居られるからなのか俺は何故か少しにやけた
「何にやけてんのよ。キモい」
「何でもない」
やっぱり俺は旅がしたかったのかもしれない。
「しゅっぱーつ」
彼女、いや、ネイがそう言うと俺達は村を出た。
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