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夜が明け、彼女が旅立つ時間がきた。
「1人で大丈夫?なんなら魔法使いさんでも呼ぶ?お金ならあるし」
「有名な魔法使いさんはちょっとJが高いがなんとか頑張れば」
Jというのはこの世界のお金だ。ご両親も本当に心配そうだ。
「いや、いい。自分で旅していい人を見つける」
前からそう言ってたからな。パーティーは自分で作るって。
おっと、俺も一言言っておかないとな。
「気をつけろよ。なんなら俺がパーティーに入ってもいいんだぜ」
俺がいないと何もできないからな。冗談でも心強いだろ。
「うっさい、ゴミ」
すいません。俺がいないと何もできないっていうのは俺の妄想でした。
「ごめんなさい」
「じゃあ、行って来る」
謝った俺をなんなくスルーし、彼女はまるでお使いでも行くかのように言った。
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