プロローグ

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「ちょっと待ってくれ。荷物とか用意したいから」 「逃げる気?」 今さら逃げても意味ねーよ。 「用意するだけだから」 「…私も行く」 「見付かったらどうするんだ」 そろそろ夜が明けてきたし、誰かに見られたらおしまいだ。 「私も行く!」 これは何言っても聞かないな。 「すぐに済ませるから早く行くぞ」 とは言っても音をたてないように駆け足だがな。 「そういやお前、朝から出ていって今まで何してたんだ?」 スライムでも倒してたのだろうか。 「村のすぐそこで寝てた」 「ずっと寝ててよく気付かれなかったな」 いろいろつっこみたいことがあるけどスルーしました。 「着いた」 俺の答えをまた無視して彼女がそう言った。 「早くしてね」 「わかってるよ」 10分程度で済ませ、ばれないようにこっそり出た。いちようこのことを伝えるために手紙も置いていった。見た頃には俺も彼女もいないから問題ない。 「遅い!」 いや早い方だと思うんだけど。 「よし、行くか」 「仕切んなぼけ」 「はい」
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