真夜中の失踪者

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「機械のトラブルって事かよ」 間中は大きく肩を落とした。 七不思議の一つが余りに普通過ぎて落胆したのだろう。 「くだらんなりよ。大方、接触不良で止まったまま電源を落とし忘れたと言う事なりな。七不思議の一つはこれで解決なり。所詮、七不思議などこんな偶然の産物なりよ」 金子はわざとらしく手帳に、ピアノの謎は自動演奏機の誤作動と書き足した。 次にページを戻して、七不思議を記載した記事を見る。 そして、現校舎から一番近い七不思議を探す。 C棟から近いのはD棟の“廊下から突き出ている腕”の逸話だった。 「次は廊下から突き出ている腕の話にするなりよ。この分なら一日で全ての七不思議を解けるかも知れないなりよ」 金子はにんまり笑うと、我先にと廊下に飛び出した。 「次は面白いと良いけど?」 菜穂子がそれに続いて出ていくのを見て、桜子が急いで後を追う。 「七ツも噂があれば、一つぐらいはセンセーショナルなモノもあるかもよ?」 「私はそんなの求めていないよお姉ちゃん」 歩き出す葵に続いて、疲れた顔で茜も続く。 間中はしばらく自動演奏機を動かそうと試みて見たが、演奏機は先ほどと違って全く動かなかった。 「動かないかな?」
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