山道の悪夢

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直ぐさま警備会社に電話をすると、その男を無理矢理呼び出した。 携帯では出ない可能性が高いが、会社呼び出しでは出ない訳にはいかない。 少しして、電話に険呑な口調の男の返事が届いた。 『御社さん。何のようかね? まさか例の件で金をせびろうと言う訳ではないだろうね?』 「いやいや、そんなあくどい真似はしませんよ。貴方の浮気調査を偽造した事なんて、口が裂けても言いませんよ。用件は情報ですな。以前約束しましたよね? 何か入り用があれば情報を流すと」 その内容に電話の主は沈黙した。 その事についてはしっかりと裏取引きしてある。 電話の主は諦めたのか、電話越しに溜息を零した。 『それで何が知りたい』 「それでは……」 御社はニヤニヤと笑いながら話を切り出した。      ◇ 御社は学園に乗ってきたジャガーXKの中で、煙草を一服していた。 電話の男から仕入れた情報は、茜から聞いた内容とたいした違いはなかった。 警備会社の親会社社長の子息がスペアーキーをくすんで学園に潜入したこと。 節電の為に電源を落としており、防犯カメラにはほとんど何も映っていない事。 言われた現場からは何も見つからなかったこと。
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