山道の悪夢

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警備会社の不祥事を揉み消す為にも、行方不明者二名の足取りを本格的に捜査しているとの事だった。 「現場はその捜査データを手に入れるとして……後出来るのは当事者の尋問か……」 柚木に渡されたファイルを漁り出す。 ファイルのおまけとして、最後尾に参加メンバー全てのデータベースが添付されていた。 「やはり有能だ。あの性格さえどうにかなればの~」 御社はファイルを見てから唸る。 全員の家を回るには時間が遅い。 今は午後18時を回っていた。 面倒なので夕飯を食いながらの電話に切り替える事にした。 近場のイタリア料理店を携帯電話で検索して、予約してから店に向かう。 店に入ってから注文をひとしきりすると、リストの上から電話をかけ始めた。 「むう……」 と、御社が唸ったのは全員が電話に出なかった為だ。 何故か全員家に引きこもっており、誰も電話には出たがらない。 茜の眉唾話が、現実の色を帯びてきたのが気になる所である。 「引きこもるのは恐怖から……の行動か? ならば学園で何かを見た可能性は高い?」 再び唸る。
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