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保健室に入ると、あいつがいた。
「やだあ、また来たのぉ?」
岬雄二がソファに寝そべっている。
「あんたも懲りない女ねぇ。ここ一週間で何人にふられたの?」
「10人」
「多いわねぇ。で、今日のオヤツは何かしら?」
雄二は包みをひったくり、もそもそ食べはじめる。
「せぼん。せぼん。せしぼん」
フランス語で素敵に美味しいと言っているらしい。
「そういえばあんた、恋をするのは勝手だけどね、手当り次第は考えものよ」
雄二はケータイを取り出し、見せた。
学校裏サイト。
そこには、私について言われのないことが書かれていた。
我が校の都市伝説『妖怪告りさん(こっくりさん)』
放課後になれば自作のお菓子を渡してイケメンに告りまくる不細工女。OKしてしまったら最後、恐ろしいことが起こる。
「これ、あんたでしょ?都市伝説になってるわよ」
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