0人が本棚に入れています
本棚に追加
昔から、美人なお姉ちゃんばかり可愛がられてきた。
4歳のとき
新しく買ってもらった白いワンピースを着たお姉ちゃんが、くるりとその場を回る。
フリルがついたすそがふわっと広がって、花が咲いたよう。
「お母さんありがとう。大切にする」
その後、お姉ちゃんはワンピースにカレーをこぼし、カレーのシミがついたワンピースは後に私が着ることになる。
7歳のとき
七五三のお祝いをしてもらう。
写真はピンクのドレスを着せてもらった。
特別扱いされているようで嬉しかったのだが……
家に帰って千歳飴を食べていると、お母さんとお父さんはアルバムをめくる。
お姉ちゃんの七五三の写真を見ている。
「このときのお姉ちゃんは可愛かったわね~」
そこには、7歳のお姉ちゃんが小首をかしげて笑ってる。
同じドレスを着て。
いちいちあげるときりがない。
いつもいつも、お姉ちゃんばかりが可愛がられる。
置いてけぼりになった気分だった。
お姉ちゃんより愛されたい。
お姉ちゃんより幸せになりたい。
なのに、なぜ私だけ幸せになれないのか?
くやしい。
最初のコメントを投稿しよう!