安藤力也と近藤晃

5/12
前へ
/37ページ
次へ
‥‥‥ミシ  ‥‥‥‥ミシ ガラガラ 「‥‥見つけたで」 どうやら安藤がヤクザのアタマを見つけたらしい 「うわっっ!力也や‥‥‥」 「力也ぁ?親でもないのに呼び捨てにすなボケ!」 「すんません安藤さん、何のようですか?」 この街じゃヤクザも安藤に敬語をつかう 「ストレス発散させんかいワレぇ」 「冗談でしょ安藤さん‥‥‥」 「お前この顔が冗談に見えるんかコラァなめてたらいてこますど」 「なめてません!やめてくださいお願いします」 ヤクザは安藤にそう言いながら頭を地面に思いっきりぶつけて泣きながら土下座した だが安藤は許してくれるわけがない 以前安藤が歩いていた道の前におじいさんが「おばあちゃんどこ行ったやろか」と言って道をさえぎっていた おじいさんならかわしてあげるのが普通だ でも安藤は普通ではない 邪魔なものは邪魔、おじいさんは老人保険をフルに使えるぐらいハリとばされた おじいさんにも手加減しない安藤 もちろん前で泣きながら土下座しているヤクザを見たってなんの感情もわかない 「はよ、立たんかい!」 「安藤さんやめてくださいお願いします」 「うるさいどワレぇ、男やったら立ち向かってこんかいボケ」 それは無理に決まっているやろ 安藤はヤクザにムチャな事を言っている フンコロガシがカブトムシに戦いを挑むようなものだ 当然カブトムシは安藤だ わいと小鉄はその会話を聞きながら合掌した なぜならもうヤクザは戦わなければ一方てきに殴られるからだ 「わしらなんかしましたか?安藤さん」 ヤクザが涙を流しながら言った一言 安藤は黙った それもそのはずヤクザはなんもしてないからだ 「‥‥‥‥ワレなめてんのか、許さんど絶対許さん!表でんかい、おうコラ」 安藤それは無理がある と思ったが安藤が無理な事を言うのは今に始まった事ではない わいと小鉄は再び合掌して安藤がヤクザを表に連れて行くところを見送った
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加