辺境遠征(前編)

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「いやはやしかし、ワルト少佐もお気の毒ですな。中央特務部隊というエリートのあなた様が同行なさっている時に限って現れるとは、野生竜どもも空気を読まない奴らです」 「まったくだよ。念のために長めの日程で遠征申請しといて正解だったな。日程が余ったら休暇にしていいと言われたから喜んでいたのに、ほんと世の中ってのはよくできてるよ」  ワルトは自分の短い黒髪を手でがしがしとかき、不満そうに鼻を鳴らした。
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