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「どうです、ワルト少佐。ここは一つ、国内随一と噂される若き竜騎士の腕前を発揮して、新道の野生竜どもを手なずけてみますか」
いたずらっぽい口調で、グリンデルがにやりとワルトに目配せをする。
ワルトはそんなグリンデルを見て、頭にやっていた手を興味なさそうにひらひらと振った。
「いやいや、竜騎士ってのはあくまで調教された軍竜の使い手さ。野生竜のお相手をするなら、それは調教師のお仕事だ。俺の役じゃあないね」
そう言ってからワルトは組んだ両手を見ながら頭の上に上げ、再び体を伸ばした。
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