2人が本棚に入れています
本棚に追加
今は失われた時間を遡る事34?年前、一人の男の子が生まれた。
だが、男の子は生まれると同時に地下深くの牢に繋がれた。
彼は強大な力を持っていた為に人々から恐れられ、監禁された。
外の世界を知らないまま、20年の月日が流れた。
男の子はふと思った。
「どうして閉じ込められているのだろう」
と。
生まれた時からこの場所にいた為に閉じ込められているのが当たり前に感じていた。
試しに鉄格子を壊そうとした。
ゴリン!という音がして鉄格子は簡単に折れた。
檻から出るとたちまち兵士に囲まれた。
「退けよ。俺が・・・俺が何をした!!?」
気がつけば兵士達の死体が転がっていた。
「この力・・・」
人を殺した感触がまだする手をギュッと握り、外へと駆け出した。
初めて見た空は灰色、感じた風は血の混じった臭い、そして目の前には死体が転がっていた。
戦争の真っ只中だった。
「これ・・・は・・・」
「獣人族が我が国に反旗を翻したのだ」
気がつけば隣に白いフードを被った人物がいた。
「誰だ!?」
「心配するな。お前には手をださん」
「お前、これを見てなんとも思わないのか・・・?」
「思うさ。なんて愚かな連中だろうか。君を解放すればこんな事にはならなかったものの」
「どういう・・・意味だ・・・?」
「君には僕の下で将軍として働いてもらうよ。それが君にとっても、僕にとってもいい事だからね」
「お前は一体・・・?」
「僕の名前はガナサダイ。いずれ、世界を征服し、世界の皇帝となる男さ」
「ガナ・・・サダイ・・・」
「君は・・・そっか、名前がないのか。なら僕がつけてあげるよ」
勇敢なるゴーレム、ゴレムスから名を借りて・・・
ゴレオン
君は今日からゴレオン将軍だ。
ゴレオン編 完
最初のコメントを投稿しよう!