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ゴレオンがガナンの将軍になって約20年後、戦争を免れた獣人族の村で一人の女の子が生まれた。
女の子の生まれた家は代々剣道を教えてきた道場だった。
道場は男にしかつげなかった。
女の子は男の子として育てられた。
元々男勝りな性格だった為、16歳になる頃には誰もが男だと思うような風貌になっていた。
女でありながら男として育てられた為、彼女は何時も孤独だった。
いや、彼女自ら人を避けていた。
その様子を幼なじみであるヒョウザは何とかしたいと思っていた。
彼女は強かった。
その太刀筋は美しく、剣舞はまるで舞っているような錯覚をする。
そんな彼女はガナン帝国の武術大会に出る。
決勝戦、彼女の前に現れたのはこの頃はまだ皇子だったガナサダイだった。
「この国の皇子か」
「獣人族か。珍しいねぇ。まあ、部下にいるけどさ」
「あまり我を舐めるなよ・・・!」
「舐めてるのは君だよ」
「・・・!」
ガナサダイの言葉が終わらない内に彼女は斬られていた。
「なっ・・・!」
「弱い。でもここで死ぬには惜しい。僕の部下になれ、そしたら命だけは助けてあげるよ」
(この男になら・・・忠誠を誓ってもいい)
「・・・御意」
「君の名は?」
「・・・ギュメイ」
ギュメイ編 完
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