投稿者]]匿名希望。

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新入生名簿をぱっと見ただけで、すぐ気付いた。三人のほのかちゃんのことは、もう顔も名字も一致している。 クラスメートよりも先に覚えるってどうなんだろう、などと思いながら、それでも彼女たちを必要以上に気に掛けてしまう自分を憎らしいと思う。 中学の頃、…初めて付き合った彼女は、飯田穂ノ花という名前だった。元々俺には遊びっけがあったが、彼女が初カノだった。そのせいでわからないことも、はじめて知ったことも多くて、恥ずかしながら彼女にリードされることが多かった。 しかし、今考えれば、中学生のくせに結婚だの一生だのと考えていた自分が恥ずかしすぎて火を吹きそうだけれど、あの時はあれが最初で最後の恋だと思っていたし、あれこそが永遠の愛だと信じていた。 見た目は、名前に似合わずとてもシャープで、クールだった。髪はセミロングだったが、いつもうなじの辺りで括っていた気がする。よく食べて、よく泣いた。心の揺れ動きが激しくて、すぐに自分の殻に閉じこもろうとした。俺の心をあんなにも揺さ振ったのは、きっと後にも先にも穂ノ花だけだと思う。 頭もそこそこの、チャラチャラとしたキャラである俺のことは、はじめは相当嫌いだったらしい。
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