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「はぁ? 届いたってどういうことだよ。お前さっき自分で、どうやってプレイするのか分からないって言ったじゃん」
「あぁ。だから僕も少し調べてみたんだよ。実はこのゲームっていうのは、無作為に送られるんだ。知らず知らずの内に、自分のメールボックスにメールが届いてるんだ。んで、そこに記載されてるURLをクリックすると、.exeファイルで勝手にダウンロードされる」
まさか、そんなことが。有り得ない。ゲームが勝手に送られてくるなんて、そもそも適当にアドレスを入力したところで、必ずしもメールが届くとは限らない。それこそ、何億通りもの数があるのだから。
「ちょ、ちょっと待てよ。ってことは……お前それをもう……?」
「まさか!」
達弥は目を丸くして声をあげた。
「この話には続きがあるんだよ。このゲームをプレイしたプレイヤーは、@わーるどの世界に閉じ込められてしまう」
「ぷっ……あはははは」
達弥がやけに真面目な表情で話し出したので、それなりに覚悟をもって聞いていたのだが、その内容を聞いて耀は拍子抜けしてしまった。
無理もない。達弥が話したのは、まるで小説や漫画の話だ。急激な発展を遂げ、幼い頃から電子機器に触れているこの時代、小学生だってそんなことは信じない。
だが、達弥はそんな耀に怒りもしなければ、いつものように照れ笑いで、「だよなぁ~」と頷く事も無かった。
「…………まじ?」
「いや、詳しいことは僕にも分からない。なにしろ、情報があまりにも少ないんだ。普通はゲームといえば、どんなに人気がなくてもwikiぐらいは立つだろう? だけど、その類はひとつも無い。これについて記載されているのは、個人運営のオカルトサイトだけだ。わかっているのは、無作為に突然送られてくること。プレイをしたプレイヤーが閉じ込められる……まぁ、こっちは信憑性は薄いけど」
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