第七問 ダイイングメッセージ4⃣

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「いや、思うにこの人は犯人の名前を直接書こうとしたんじゃないですか? 『あか』の文字の後に『……』と何か続きを書こうとしていた後がありますし……」 「ふむ……それで? 伊赤真の名前にも『あか』は含まれるぞ」 「はい、しかしですねー、普通人の名前を書くとき名字が名前を書きますよね。その時、わざわざ伊赤の『い』を飛ばして『あか』から書きはじめますかね」 もし被害者が叶朱理を書こうとしたなら、今回の場合は『あかり』 赤峰亮の場合は『あかみね』と書くだろうが もし伊赤真と言う文字を書こうとしたなら始める言葉は『い』か『ま』 決して『あか』から書き始めない。 これが新米刑事の言い分だった。 確かに事の道理はそれで説明つく。 しかし、その推理を雪中の推理と合体させるというなら、もう一つ解決しなけれだ成らないことがあった。 それは、伊赤真以外に『あか』と言う人物がいなければこの偽のダイイングメッセージが意味を全く成さないと言う事だった。 しかし、これは思いの外早く解決する。 何故なら今回の容疑者は叶朱理に犯人候補をあげてもらってるからだ。 叶朱理が知る人物に伊赤真が含まれる。 逆に言うと伊赤真は叶朱理がここでメイドをしてることを知ってるのだ。 つまり伊赤真は彼女を犯人に仕立てあげようとしたに違いない。 赤峰亮はたんなる偶然か、はたまたこちらも伊赤真と面識があり、保険の犯人候補に選ばれた。 そのどちらかだろう。 まぁ、叶朱理は被害者の家でメイドをやってるのだから、アリバイも作りにくいし、犯人に仕立てあげるには申し訳ない人物だったと言うわけだ。 この後、伊赤真は無事逮捕された。 被害者の手で地面に文字を書くとき、ズボンに血が付着し、それが自宅から発見されたのだ。 ~fin~ 惜しい所までいった人はいましたけど、正解者は無し。 三重の仕掛けだけに少し難しかったかな。
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