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………まあ、たぶんあの人は転校生ですので、僕も少しは自重しませんといけませんね。
ホントなら僕をお前呼ばわりした時点で死刑確定なんですけど、見逃してやりましょう。
ああ、なんで転校生ってわかるか……ですか。
なんたって僕は生徒会長ですよ?
全校生徒の顔と名前くらい知ってて当たり前じゃないですか。
だから、学園の制服を着てても顔と名前を知らないひとがいたら、不審者か、転校生なんですよ。
「………。あなた転校生ですか?」
「そうだっ!!だから助けろっ!!」
「転校生だからって助ける道理ってあるんですかね…。」
と、微かに呟きながら、よじ登って、もう5メートルもある正門を越えようとしている転校生を見上げる。
「はあー、どうやったらこんなバカげたことしようと思うんでしょうね。」
「なにかいったか~」
耳が遠くて助かりました。
でも…………
「困りましたね。」
この転校生を助けようにも、どうしたらいいんでしょうか……。
はあ~、
面倒なことになりそうです。
もう何度目かわからないため息をつき、上から降ってくる声を聞こえないふりをして、まずは転校生の近くにくる。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫なわけないだろっ!!俺たち親友だろ!?早く助けろよっ!!」
はあ~。
なんか助ける気根こそぎもっていかれました。
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