第2章 とりあえず平凡崩壊。

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去年のこの時期は保健室に逃げてたっけ。 だってそうでもしないと、あたしがやらなくちゃいけない空気だったから。 みんな他力本願だよ。 あたしそんな優秀そうな顔してないでしょうよ。 そんな奴にこんなビッグイベント任せちゃっていいわけ。 ってな感じで、去年の学校祭はどうにか逃げ切った。 おかげで、あたしはただの喫茶店の売り子役だったもん。 だから、あたし自体にそんな人望みたいな素晴らしいものがあるわけじゃない。 まぁそんな感じで今年もそうやって逃げようとしたんだけど… 担任のヤローが不意討ちにプチクラス議会をおっ始めたばっかりに、あたしは泣く泣くこの有り様。 もちろん立候補なんてしてないけど、所謂推薦ってやつで。 こういう時に限って満場一致ってどういうこと。 普段そんな一致団結的な熱いものは、このクラスからは感じられないのは、あたしだけじゃないはず。 「それじゃ、早速今日の放課後から集まりあるみたいたから。場所は…えーっと…会議室A……?だ!」 どこだよ会議室Aって。 ていうか絶対お前も今 どこだそこ? とか思ったろ!! あたしだってそんな部屋あったなんて初耳だよ! とか内心思いながら、担任は挨拶してさっさと帰っていってしまった。 あ、あれ…… そういえば今って帰りのHRだったんだっけ… ていうことは、このあとそのまま会議室Aとやらに行かなくちゃなのか。 もう周りのクラスメイトたちは、ポツポツといなくなり始めている。 いるのは掃除当番の人と、何やら談笑している人たち数名。 と、そこに自分に向かってくる人物に気づいた。
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