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「生3つ。」
丁度きた店員に透は迷うことなく注文をしていた。
「…飲む気分じゃねぇって。」
「1杯くらいいいだろ。」
透はそう言うと
「いいものあげるからさっ。」
透の女は笑みを浮かべながら続けて言ってきた。
「…ケガ平気か?」
俺はまだ包帯が巻かれている腕を見ると
「平気平気。」
透の女は笑いながら俺を見てきた。
「…悪かったな。」
呟くように言うと
「気にしない!!」
透の女は変わらず笑いながら俺の前に何かを出してきた。
…?
「お待たせしました~。」
ビールが運ばれてくると透と女はジョッキを持ち上げ
「紗由ちゃんの回復を願って乾杯。」
そう言って俺の前に置かれたジョッキに軽く当ててきた。
…。
俺もつられるようにビールを飲むと
「手紙だよ。」
透の女は二口目を飲みながら言ってきた。
「…手紙?」
「紗由ちゃんからのね。」
俺はジョッキをテーブルに置くと封を開けた。
「笹井くんがいなくなった後紗由ちゃんずっと泣いててさ…。色んな話し…してくれたんだ。次の日の朝…様子がおかしくて…急に手紙を書きたいって言ってきて…それ書いてた。」
封筒の中を見ると中から紙を取りだし広げた。
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