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それから毎日病院に行くも…
紗由は目を覚まさなかった…。
気付けば紗由と約束した指輪の受け取りの日になっていた。
俺は一人で指輪を取りに行った。
あん時はまさか一人で来る事になるなんて…
全く思ってなかったな…。
当たり前のように隣に紗由がいて…
幸せそうに笑う紗由にこの指輪をはめてやれると思ってた…。
病院に戻ると俺は無理を承知で看護士に中へ入れてくれるように頼んだ。
紗由の指に指輪をはめるために…。
毎日紗由に会いにきていた俺は意外とすんなり中へ入れて貰えた。
…紗由
1週間振りに間近で会う紗由は何だか蒼白く…
ただでさえ小さい紗由が更に小さく見えた。
「…紗由。ごめんな…一緒に行くって約束してたのに…。」
俺は紗由の左手を握りながら紗由に話し掛けた。
「…受け取ってくれるよな?紗由…ずっと…傍にいるから。」
俺は紗由の薬指に指輪をはめると…
そっと…
薬指にキスをした。
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