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「…紗由。ずっと傍にいるから。ずっと…一緒だから。大丈夫だよ。」
「…ホ…ント…?」
「あぁ…。俺が好きなのは紗由だけだから。幸せにするって言っただろ?」
そう言って俺は紗由の薬指にそっとキスをした。
「…。」
紗由は気付いたのか左手を少し上げ薬指の指輪を見つめていた。
「…けんたん…。」
紗由は俺を見ると俺の左手に手を伸ばしてきた。
紗由の前に左手を出すと紗由は涙を浮かべながら俺の左手に触れそっと唇を当ててきた。
「…紗由。」
「笹井さんそろそろお時間ですよ。」
看護師長にそう言われ
「…また明日くるな。」
紗由の頭を撫でながら言うと
「…けんたん。」
紗由は寂しそうな声で俺を引き止めてきた。
「…大丈夫だよ。また明日くるから。」
そう言って紗由に触れるだけのキスをすると…
紗由は笑みを浮かべ小さく頷いた。
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