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「…俺が好きなのは紗由だけだ。これから先もずっと…。それだけは信じて…。マジで紗由だけだから。」
紗由はそれでも涙を流したままだった。
「…莉奈の事はもう過去の事だよ。透に何聞いたのか…透が何言ったのかは知らねぇけど…もう過去だし…終わった事だから。ただ…紗由と同じで…事故で亡くしたから…俺のせいだし…責任は感じてる…。」
話す度に自分を責めたくなる…。
「…今でもそれは思う。だからだろうな…紗由の事も…俺のせいだし…。俺がいなかったらって…考える時ある。」
「…。」
「誰よりも大切なのに…俺が紗由をこんな目に遭わせて…。そんな俺がさ…これから先紗由を守れるのかって…その資格あんのかって…ずっと悩んでる…。」
「…けんたん。」
「…俺の方が怖くて聞けなかったよ。こんな俺でいいのかって…。こんな俺とさ…これからも一緒にいてくれんのかって…。かっこ良くついてこいなんて言えねぇし…。」
紗由の手を握ったまま話してると紗由は俺の手を握り返してきた。
「…私の事…好き…?」
紗由は溢れる涙を止めながら聞いてきた。
「…好きだよ。そんな言葉じゃ足りないくらいな。」
「…莉奈さんは?好きだった?大切だった?」
「…あぁ。」
俺は偽りなく紗由の問いに答えた。
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