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コンコン
部屋をノックする音が聞こえ紗由をそっとベッドに寝かせると…
部屋に誰かが入ってきた。
「…いいかな?」
そう言って入ってきたのは親父だった。
「…紗由。一度会ってるだろうけど…。俺の親父…。」
そう言うと
「…あの時の。」
紗由は少し驚いた顔で親父を見ていた。
「…ホントに申し訳ない事を。」
「いいえ。気にしないで下さい。私が勝手にした事ですから…。」
「しかし…。」
「…ホントに…責任なんて感じないで下さい。誰に何を言われても…こうなってたと思いますから…。」
紗由は優しい笑みを浮かべたままそう言った。
「…私に出来る事があったら何でも言って下さいね。」
「ありがとうございます。でも…健太さんがいてくれますから…大丈夫です。」
紗由はそう言って俺を見ると…
「こんな息子ですが…よろしくお願いします。」
親父は紗由に頭を下げていた。
「…こちらこそ…何も出来ない私ですが…よろしくお願い致します。」
紗由はそう言って同じように頭を下げていた。
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