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「帰りましょうか――」
「何処へ?」
――何処……か。
「そうですねぇ……帰る場所も有りませんね」
「何だそりゃ……」
私とジャックがそんなやり取りをしていると、マイが何かを思いついたのでしょう。
一際大きな声で叫びました。
「作ればいいネ!!」
「作る――ですか」
――私達の居場所を。
「面白いかもしれないですね。私――農業やってみたかったんですよ」
「農業!? 似合わねぇ! ガハハハッ!!」
私の言葉にジャックが爆笑。
「貴方は肥料にして差し上げますよ」
「ちょ……すいませんでしたぁ!!」
地獄の様な光景の中、馬鹿みたいな会話をする私達。
そして――
私達は歩き出した。
自分の居場所を作る為に。
――FIN――
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