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「御主人様……」
ぼんやりとしていた私へマイがそっと歩み寄り、後ろから手を回します。
「マイ……」
「――お疲れ様でしたネ」
いつもの声色とは違い、それは何処となく優しさを感じさせる。
「――ええ。漸く一段落ですよ」
死屍累々な荒野では、吹き抜ける風が血生臭さを運び――
世界に伝える為運んで行きます。
赤黒く変色した土。
その上に横たわる死体の山。
「これから大変でしょうね――」
戦える者達はみな死んだ。
世界には魔物が蔓延するでしょう。
「まあ、私の知った事ではありませんけど」
その言葉に苦笑したマイ達。
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