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神具で創られた鉄格子が嵌まった窓からは、目が覚めるほどの青空が覗いていた。
鉄格子の間から、湿った風が吹き込む。
ルーン文字が刻まれた石壁に三方を囲まれた部屋。
廊下に面した壁の代わりに、一面の護符で埋め尽くされた鉄格子が嵌まっていた。
そこは牢獄だった。
男は石で作られた寝台の上に座り、牢獄の壁に背を預けていた。
男が牢獄に閉じ込められて、どれくらいの年月が経ったのだろうか。
窓から射し込む朝日と夜の暗闇の訪れから日にちを数えていたが、飽きてしまいやめた。
かなりの年月が経ったのは間違いない。
男が石の寝台の上で拘束された手足を眺めていると、物音がした。
廊下の床に反響する物音が近づいて来た。
音は、男から見えない位置、廊下の奥にいるであろう守護神の前で立ち止まった。
守護神に向けての祝福の祈りが聞こえ、そして再び足音が動き始めた。
足音の主は、鉄格子の前に姿を現した。
白い肌に銀の髪を揺らし、太陽を秘めた琥珀の瞳をした女だった。
女は食事を載せた木の膳を抱えていた。
何も言わずに食事を冷たい石床に下ろし、女は薄い羽衣に手を絡ませる。
やがて、抜き出した手には鍵を握っていた。
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