タイヤを燃やす青春

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 輝のことをテル美と呼ぶ。(わたしはこの子をそう呼ぶことに今日決めた。彼は調子にのるとする物まねの中で、よくかまととぶって、隣にいるわたしに男口調でつっこまれた。 (「やーんテル美、こわーい」「きもいからやめろ」)って感じのくだらない流れ。切り離して考えるとその流れの白々しさにわたしはぞくってなる)  輝はふり向くと、「なーん?」といった。遊び疲れた顔でジャンパーの袖に手をおさめている。 「どこ行くか決まった?」できるだけ眠さをさとられないようにいう。 「決まってない。もうすこしはやく歩けば」 「うーん、決まったらかけつけるよー」とわたしは笑ってみせたのに、輝は苦笑い。わたしはこの三人となら友達だ(った)。今は昔。それにしてもわたしは寒さを感じない。男のほうが寒がっていて、「なん弱だなぁ」とわたしは背中に対して思う。わたしのマフラーはバッグからのぞけている。
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