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「リトゥーシャって何よ……」
神崎ルリ、もとい、
クラスでリトゥーシャという愛称で親しまれている少女が、家に帰宅するなり発した第一声がソレである。
と、まぁ、性格こそ、
根暗で残念な感じな
彼女ではあるが、
その見た目は、
リトゥーシャという
愛称がしっくりくる程の
可愛らしい小柄な体躯。
長い睫毛(まつげ)に
黒目がちな瞳。
すっと通った鼻筋に
淡い桃色に潤んだ唇。
それは、そう、可愛らしい
西洋人形の様な……
西洋人形の様な顔立ちに
純和風・日本人形の
黒髪ストレートの長髪が
腰の辺りまでストーン!
残念!和洋ミスマッチ!
パーマに憧れて
美容室に行くも、
美容師に
「あー、凄い。この髪質はパーマ上手くかからないんですよねー。無理っす。」と言われた。
あー、凄い。
と、無理っす。
は、多分、接客業界では
タブーとされている言葉ではないだろうか。
それはさておき。
と、まぁ、
そんなこんなで表情が暗いものだから、折角の素材が見事に死んでいた。
「あぁ、時間が巻き戻せたらいいのになぁ。」
着替えを済ませ、
部屋の机の椅子に座って
背伸びをしながらの
第二声。
きっと巻き戻せた所で
何かが変わる訳ではないのかもしれない。
だが。
この言葉はもっと後に、
とっておくべきだった。
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