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その日の夜。
自分の部屋のベッドで眠りについた神崎ルリは、夢をみた。
顔文字の様な、
雑な作りの顔をした
犬のぬいぐるみ
(∪・(Å)・U←こんな顔)
が自分の部屋で何かを物色している光景。
「あははっ」
いくら夢だからって、
ぬいぐるみを動かすなんて。
自分にも、意外とファンシーな願望があるのかも、と思った瞬間笑ってしまう。
可笑しい。
夢の中でとはいえ、
こんなに笑ったのは
何年ぶりだろう!?
……嘘である。
そういえば、つい一月前、
テレビの芸人のしょうもない
一発ギャグで笑ってしまっていた。
笑うスパンが一ヶ月置きか……
間隔開きすぎである。
ていうか、それがリトゥーシャの悲劇の引き金となっているのが痛いなぁ。
と、それよりも今は
目の前にいる、動くぬいぐるみの事が重要である。
夢だというのに
意識が割とハッキリしているし、
思考もクリアだ。
こんな機会も
滅多にないだろうから、
ぬいぐるみに
自分から話しかけてやれ。
そう。
たまには。
夢の中でくらい、
前向きにハジけたかった。
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