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女の子は風船をたくさん持ったうさぎに言いました。
「ねえ、そのふうせん、ちょーだい。」
うさぎは赤色の風船をひとつ、女の子に手渡しました。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
女の子はじっとうさぎを見つめています。
じー
っと。
うさぎはもう一つ、次は青色の風船を、
飛んでいかないように、女の子の腕に結びつけました。
女の子はまだ、じっとみつめています。
じー
いー
っと。
うさぎはもうひとつ、もうひとつ、もうひとつ、もうひとつ、、
と
女の子の腕に風船を結びつけていきます。
はじめにもらった赤い風船は、もうどこかに飛んでいってしまって見えません。
女の子は色とりどりの風船をもらって、にんまりと、大きな笑顔で満足しています。
そのときです。
女の子の体が
ふわっ
と空に浮かび始めました。
「すごいわ!あたし、おそらとんでる!」
兎は空をのぼる女の子を
じー
ー
いー
ぃー
ーっと
見ています。
女の子が高く、高く、高く、あがったとき、
プチ
プチ
プチ
プチ
プチ
プチプチプチプチプチプチプチプチ
ブチッ!
風船のひもがいっせいに切れました
女の子は
下に
下に
下に
下に
下に
下に
下に
下に
下に
落ちていきます
兎は堕ちていく女の子を
見ています。
女の子が地面に落ちたとき、
ドン!!
赤いアスファルトの上、
兎は女の子をじっと見つめていました。
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