二〇二六年十二月 「手榴弾が爆発するまで最短で

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──瞬間、 カズミが追いかけていた手榴弾が視界から消えた。 「喰らえ、これが俺の、ファイヤーショーット!!!」 ゼンジの傍にいたチョウタロウが、身体に比して太い足で、手榴弾を蹴り上げた。 非現実的な必殺技名と決め台詞を叫びながら。 「とべぇぇぇぇぇぇぇぇぇ、飛ぶんだ!!」 カズミは、咄嗟に、ゼンジに手を伸ばして、そのまま二人で転がるように地に伏せた。 放られた手榴弾は、空中で、パーンという破裂音を轟かせて散った。
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