第3章:空からの訪問者

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「あぁ~… 残念ながら転送装置は行きだけなの。 調整に時間がかかるから、成功しなくても1ヶ月後に迎えに来てくれる事になってて」 「どっちにしても地球に暫くいなきゃいけなかったって訳か」 「うん」 結局は、地球で暮らす時間が短いか長いかって事か。 不安そうに見つめるフェル。 何も知らない地に1人置き去りにされ不安もあるんだろう。 「ハァ~ 何処にも行く所無いんだろ? 仕方ないから面倒みてやるよ。」 物凄く不本意だが、女1人を野放しにしておく程心の狭い人間ではない。 それに、コイツのこんな顔見てたら何か放っとけなくなってきたしな。 金銭面に関しては…親父の仕送りで今まで生活出来てたから、バイト代をコイツの生活費にあてたら何とかなるだろう。 「ホント? わぁ!有難ぉ~♪」 すると、俺の言葉がよっぽど嬉しかったのか、喜びながら抱き付いて来た。 「わ!オマッ!やめろっ」 慌てて抱き付いた身体を剥がしていると、不満そうな顔をしながらこちらを睨んで来た。 「あのさぁ~。 僕、ちゃんと"フェル"って名前があるんだよね!オマエとかじなくて。 ちゃんと名前で呼んで欲しいんだけど」 何やら名前で呼ばなかった事が気に食わなかったらしい。 まぁ、確かに俺もオマエ呼ばわりされると同じように腹を立ててるだろう。 「…悪かった。 これからは名前で呼ぶよ。」 「ホント?有難っ♪」 にっこり微笑みながら、フェルは思い出した様に俺に尋ねて来た。
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