第2章:マーラム星

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澄み渡った綺麗な空。 流れる雲を見つめながら、いつものお気に入りの場所で今日ものんびりと日向ぼっこ。 「あは♪今日も良い天気! 僕も早くパパやママみたいに色んな星に行ってみたいなぁ~」 あ!挨拶が遅れちゃったや。 僕の名前はフェル!136才。 元気が取り柄の女の子♪ 僕達の住むマーラム星は食べ物が育ちにくい小さな星。 水や緑のある場所も限られていて、唯一の森は、今僕がいるお気に入りスポットの此処だけ。 でも此処にある大きな木のてっぺんから眺める景色は最高なんだ♪ 僕達が暮らす村もよく見渡せるし、何より此処から手を伸ばすと、パパやママ達がいる星に届きそうな気がするから。 会いたい気持ち半分、僕も行ってみたいって好奇心半分…って所かな? あ、今の言葉で感付いた人がいるかもしれないけど、この星に住む大人達はみんな普段は食料を求めて宇宙(そと)へと出稼ぎに出ていってるんだ! 理由はさっき話した通り、作物が育ちにくいから。 平和でのどかな村だから、宇宙(そと)より全然治安は良いみたいなんだけど、でも食べる物が無いと生活は出来ないもんね。 そんな訳で、2年後に帰って来る者もいれば、40~60年経ってようやく帰って来る者もいる位で、普段は子供達だけで生活するのが当たり前になっていたり。 え?じゃあ大人達がいない間どうやって生活しているかって? それはね、…あ、やっぱり後にしよっと。 どうやら、僕の幼なじみが来たみたいだから。
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