第2章:マーラム星

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「……ルぅ~」 ほら聞こえた! 微かにだけど聞き慣れたいつもの声が。 「フェルぅ~」 声のした方へ視線を向ける。 うん、想像してた通りの女の子だ! 確認した僕は、早く話がしたくて今いる大きな木のてっぺんから、くるくる宙返りをしながら降りていった。 「よしっ!着地成功♪100点満点!」 両手を左右に広げてそう口に出し、にっこりと満面の笑みを、その女の子に向けながら、 「おはよっ!チェリー、何かあった?」 わざわざ訪ねて来てくれた理由を聞いた。 彼女はチェリー。僕の幼なじみ。 ピンクのさらさらなロングヘアーとフサフサのウサギ耳が特徴の女の子。 とっても優しくて可愛いくて、僕とは正反対だったりするんだけど、小さい頃からずっと一緒で一番仲が良かったりするんだよね。 ちなみに僕のは緑のショートヘアーで猫耳。 この星のみんなは動物の耳と尻尾を持ってて、その力のおかげで他の星の住民より身体能力が優れてるって昔聞いた事があるんだけど、その話すると長くなっちゃうからまた今度ね! で、チェリーが話出したから耳を傾けて… 「うん、ローレル様がフェルの事探してたから、多分此処じゃないかと思って探しに来たの!」 なるほど。 どうやら僕のお兄ちゃんに言われて探しに来たみたい。 「お兄ちゃんが?」 何だろ? 「有難っ!取りあえず帰るね、じゃ!」 そう言ってお別れをすると、急いで家へと駆けて行った。 ・ ・ ・ 「ただいまぁ~、お兄ちゃん、用って何?」 家へと帰ると、真っ先にいつもの部屋へと足を運ぶ。 きっと今日も此処にいるはずだから。 ドアを開け、ひょこっと顔を覗かせると、 「おかえり、フェル。実はな、研究に研究を重ねた結果、ようやく例のモノが完成したんだよ」 そう言って満面の笑みで近付いて来た。 本当に嬉しそう♪ …でも、例のモノって?
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