深窓の姫君

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「六の姫様、夕霧の右大臣様がお越しになられました」  お父様は毎日のようにわたくしの様子をうかがいにいらっしゃいます。それは、わたくしにとって憂いの原因でもございました。 「六の姫、今日はいかがお過ごしかな?」 「つつがなく今日も過ごしております」 「それは良かった」  にこやかだったお父様の顔がある一点を見つめ、曇りました。
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