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「これで完了かな?」
自分の汗をタオルで拭きそれなりの仕事を終えると、足場にウロチョロ居るコロボックルを見つけるとクレアは彼らを呼んでお金代わりの小麦粉を差し出した。
「わーぃ小麦粉なの~」
「嬉しいなの~」
「早速帰るなの~」っと言うなり我が家へと帰って行った。
「小麦粉一つであんなに喜ぶなんて幸せね……」
幸せそうな妖精達に、彼女は羨ましいのか呆れているのかわからないが見つめていた。
「さてと……」
仕事を終えた彼女は自分の家へと向かうと、タオルと下着……それと、ベットに着物を置いた。
「着物の着付けは……エレンさんに頼もうかな。まだちょっと早いから温泉に行こっと」
山の温泉へと向かうのか、Tシャツと半パンツ、相変わらずボーイッシュな服を持って温泉へと向かった。
「昔っから花火のあの音は苦手なんだよね」
そう独り言を言うなり山へと歩いて行くなり、
「「よっ!」」
「何で、居るの!」
相変わらずなぜか男共に何故か会う。
「そんな顔するなよ」
「そんな顔もしたくなりますよ」
小さな街だからすぐにカイに鉢合わせする。クレアに逃げ場はないのかも……。
「クレア! お前何でクリフと花火するんだよ! 花火大会は行かないって言ったのに」
「あのどーんって音が嫌いなの。グレイには関係ないでしょ」
「そっ……そりゃ、そうだけど……」
クレアの解答に口ごもりするグレイ。
「そう言うなよ。クレア? お前は俺の見える範囲に居ればいいんだ」
「何でやねんっ! それより、そこ退いて」
カイに尽かさず突っ込みを入れつつ温泉に入りたいので二人を退ける。
「クレア~? お前はどっかに行っちゃうのか?」
「えっ? 街から居なくなるのか!」
「ドコモイキマセン。それより、着いてこないでよ。今から体流すんだから」
着いてくる彼らを呆れつつ、山を登るクレア。
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